
事故物件の契約不適合責任とは? 心理的瑕疵や告知義務についても解説!
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事故物件は家賃が安いなどのメリットがある一方で、心理的な抵抗感や契約時の注意点など、事前に知っておくべきことが多くあります。
この記事では、事故物件の基礎知識から千葉県で事故物件を探すための方法から、契約前にチェックすべきポイントまで解説します。
目次
まず、事故物件の定義や不動産会社の告知義務について正しく理解することが重要です。
基本的な知識を身につけることで、物件探しや契約をスムーズに進めることができます。
事故物件の明確な定義はありませんが、一般的には過去に自殺、他殺など人の死に関する出来事があった物件を指します。
そのような物件は、法律的には「心理的瑕疵物件」と呼ばれます。
瑕疵とはキズや欠陥のことで、心理的瑕疵は「住む人が心理的に抵抗を感じるであろう欠陥」を意味します。
事故物件は、この心理的瑕疵物件の一種と理解しておくと良いでしょう。
老衰や病気による自然死は、原則として心理的瑕疵には該当せず、不動産会社に告知義務はありません。
日常生活で起こりうる転倒事故なども同様です。
孤独死も自然死と同様に扱われますが、発見が大幅に遅れて特殊清掃や大規模なリフォームが必要になった場合は、告知義務が発生します。
不動産会社は、宅地建物取引業法に基づき、買主や借主の判断に重要な影響を及ぼす事実を告知する義務があります。
国土交通省のガイドラインでは、殺人、自殺、事故死、特殊清掃が必要な孤独死があった物件については、告知義務が発生すると記載されています。
告知義務の期間は、賃貸と売買で異なり、以下の表の通りです。
契約形態 | 告知義務の期間 | 備考 |
---|---|---|
賃貸契約 | おおむね3年間 | 事件性が高い、社会的影響が大きい場合は3年を超えることもある |
売買契約 | 期限なし | 約50年前に起こった殺人事件を告知せずに売買して、告知義務違反が認められたケースもあり |
事故物件にはメリットがある一方、無視できないデメリットもあります。
両方を天秤にかけ、自分にとって最適な選択かしっかりと見極めましょう。
事故物件を選ぶメリットの1つは、周辺の相場と比較して安い傾向にあることです。
事案の内容にもよりますが、相場の1割〜5割程度安く設定されているケースも珍しくありません。
家賃の安さに加え、賃貸の場合は敷金や礼金が0円になるなど、初期費用を大幅に抑えられることもあります。
事故物件は、次の入居者を迎えるにあたって、特殊清掃やリフォーム、リノベーションが行われることもあり、一般的な中古物件よりも内装が綺麗で快適な状態になっていることもあります。
相場より安い家賃で、綺麗な部屋に住める可能性があるのも、事故物件ならではのメリットです。
事故物件には、以下のようなデメリットがあります。
しかし、それぞれ対策を講じることで、影響を最小限に抑えることも可能です。
デメリット | 具体的な内容 | 対策 |
---|---|---|
心理的な負担 | 過去の出来事を気にしてしまう、不安を感じる | 事前に告知内容をしっかり確認して納得した上で契約する・お祓いやリフォームを検討する |
売却・転貸の難しさ | 将来的に売ったり貸したりする際に、買い手や借り手が見つかりにくい | 専門の不動産業者に相談する・長期的に住むことを前提に検討する |
近隣住民の目 | 周囲に事故物件だと知られている場合がある | 普段から挨拶を心がけ、良好な関係を築く |
最も重要なのは、告知された内容を許容できるかどうかです。
少しでも不安が残る場合は、無理に契約を進めるべきではありません。
千葉県で事故物件を探すには、いくつかの方法があります。
それぞれの特徴を理解し、自分に合った探し方を見つけましょう。
SUUMOやホームズといった大手不動産ポータルサイトでも事故物件を探すことは可能です。
フリーワードの検索窓に「告知事項あり」や「心理的瑕疵あり」といったキーワードを入力して検索すると、瑕疵のある物件を調べられます。
瑕疵の内容までサイトに掲載されていないことが多いため、気になる物件を見つけたら、不動産会社に直接問い合わせて確認することが重要です。
事故物件を探すなら、公的機関が運営するサイトで、信頼できる情報をもとに物件探しをしたいという方もいるのではないでしょうか。
数は少ないですが、独立行政法人や公社が運営するサイトもあります。
例えば、UR都市機構では事故物件を「特別募集住宅」として扱っており、特設ページで紹介しています。
事故物件に特化した不動産会社のサイトの活用もおすすめです。
例えば、「成仏不動産」のサイトでは、心理的瑕疵の度合いで物件を検索することもできます。
これらのサイトは、事故の経緯や瑕疵の程度が詳しく記載されていることが多く、専門サイトならではの掘り出し物が見つかる可能性もあります。
インターネットに掲載されていない物件情報を得るために、地域の不動産会社に直接問い合わせるのも有効な手段です。
特に、地元に密着した不動産会社は、ポータルサイトには載らない独自の物件情報を持っていることがあります。
問い合わせる際は、「家賃を抑えたいので、告知事項ありの物件も選択肢に入れている」というように、正直に希望を伝えましょう。
気になる物件が見つかったら、契約前に内見と書面の確認を徹底的に行いましょう。
後々のトラブルを避けるため、重要なステップとなります。
内見は、物件の状態を自分の目で確かめる重要な機会です。
以下の点を特に注意してチェックしましょう。
少しでも違和感を覚えたら、遠慮なく不動産会社の担当者に質問し、納得できる回答を得ることが大切です。
契約前には、宅地建物取引士から「重要事項説明」を受けることが法律で義務付けられています。
事故物件の場合、この説明でいつ、どこで、どのような死因で人が亡くなったのかが具体的に告知されます。
説明を受ける際は、口頭での説明だけでなく、重要事項説明書に告知内容が明確に記載されているかどうかを必ず確認してください。
もし記載が曖昧だったり、説明内容と異なっていたりする場合は、その場で指摘し、修正を求めましょう。
この書面が、後々のトラブルを防ぐための重要な証拠となります。
重要事項説明書と合わせて、契約書の内容も隅々まで確認が必要です。
特に、事故物件に関する「特約事項」が設けられていないか注意深くチェックしましょう。
特約事項には、買主や借主に不利な内容が含まれている可能性もあります。
不明な点や納得できないことがあれば、署名・捺印する前に必ず専門家に相談するなど、慎重に対応してください。
最後に、千葉の事故物件に関する疑問にお答えします。
事故物件サイト「大島てる」に掲載されていても、一概に「避けるべき」とは言えません。
「大島てる」の情報はユーザー投稿が中心で正確性は保証されていないため、まずは不動産会社に投稿内容が事実か確認しましょう。
不動産会社から正式な告知を受け、瑕疵の内容に納得できるのであれば、契約を検討する価値は十分にあります。
これは事故物件に限った話ではありませんが、近隣住民との良好な関係を築くことは快適な生活のために重要です。
引っ越しの際はきちんと挨拶をし、普段からすれ違った際には会釈するなど、基本的なコミュニケーションを心がけましょう。
マナーを守って静かに生活することが、無用なトラブルを避ける最善の方法です。
事故物件に住むことは経済的なメリットを享受できる一方で、心理的な側面や契約上の注意点を十分に理解する必要があります。
物件を探す際は、物件のポータルサイトや事故物件専門のサイト、地域の不動産会社などから多角的に情報を集めましょう。
そして、契約前には必ず内見で物件の状態を確かめて、重要事項説明で告知内容を正確に把握することが重要です。
メリットとデメリットを比較検討し、すべての情報に納得した上で判断することが、後悔のない物件選びにつながります。
この記事が、あなたにとって最適な住まいを見つけるための一助となれば幸いです。
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