
不動産の相続放棄とは?手続き方法と注意点を徹底解説
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親が亡くなり、実家の片付けを考え始めたとき、多くの方が最初にぶつかるのが「遺品整理の費用は誰が払うの?」という疑問です。
一戸建ての実家となれば数十万円かかることもあり、「長男だから自分が払うべき?」「兄弟で折半でいいの?」と悩む方は少なくありません。
また、支払い方によっては相続放棄ができなくなるなど、知らないと後悔する落とし穴もあります。
この記事では、遺品整理の費用を誰が負担するのかという基本ルールから、ケース別の考え方、支払い時の注意点、費用相場と抑え方まで分かりやすく解説します。
目次
まずは、遺品整理の費用負担についての基本的な考え方をおさえておきましょう。
遺品整理の費用を「誰が払うべきか」を直接定めた法律はありません。
そのため、「長男だから」「喪主を務めたから」といった理由で、特定の人が当然に全額を負担しなければならないわけではないのです。
実際には、相続人同士の話し合いで負担の仕方を決めるケースが多く見られます。
一方で、事前に話し合わずに誰かが立て替えてしまうと、後から「そんな話は聞いていない」とトラブルになりやすい点には注意が必要です。
民法885条では、相続財産の管理にかかる費用は「相続財産の中から支払う」と定められています。
遺品整理費用もこれに近い性質の費用と考えられるため、故人の預貯金などの遺産から支払うのが一般的です。
遺産から支払えば、実質的に相続人全員が相続分に応じて負担したことになり、公平感も保ちやすくなります。
ただし、遺産から支払う場合も、後のトラブルを避けるために相続人全員の了承を得ておくことが大切です。
故人の預貯金が少ない、口座が凍結されてすぐに引き出せないといった場合は、相続人が費用を分担することになります。
分け方に決まりはなく、法定相続分に応じて負担する、全員で均等に折半する、実家を相続する人が多めに負担するなど、家庭の事情に合わせて自由に決められます。
大切なのは全員が納得していることで、口約束ではなく、分担の割合や精算方法をメモや書面に残しておくと、後々の行き違いを防ぎやすくなります。
遺品整理の費用を誰が負担するかは、家族構成や故人の住まいの状況によっても変わります。
ここでは代表的な3つのケースを見ていきましょう。
兄弟姉妹など相続人が複数いる場合、実家の近くに住む人や喪主がいったん費用を立て替え、後から精算する流れになりやすいです。
このとき「誰がいくら立て替えたか」「いつ・どう精算するか」が曖昧だと、不公平感が生まれてトラブルの火種になります。
業者の見積書や領収書は全員に共有し、遺産分割協議(遺産の分け方を決める話し合い)の中で、立て替えた人が多めに遺産を受け取る形で精算する方法が一般的です。
故人が賃貸住宅に住んでいた場合、部屋の明け渡しや原状回復(入居時の状態に戻すこと)の義務は相続人に引き継がれる場合がほとんどです。
そのため、部屋に残った家財の撤去費用も相続人が負担するケースが多くなります。
さらに、連帯保証人がいる場合は、大家さんから保証人に対して残置物の撤去費用や未払い家賃を請求される可能性もあります。
相続人と保証人が別の人の場合は、早めに連絡を取り合っておきましょう。
相続人がいない、または全員が相続放棄した場合は、利害関係者などの申し立てによって家庭裁判所が選任する「相続財産清算人」が遺産の管理・清算を行います。
遺品整理もこの清算の中で進められることになります。
ただし、申し立ての際には数十万円〜100万円程度の予納金(手続き費用の前払い)が必要になるケースがあり、実家が空き家のまま長期間放置されてしまうことも少なくありません。
遺品整理の費用は、支払い方ひとつで相続放棄ができなくなったり、相続人同士の不信感につながったりする可能性があります。
ここでは特に注意したい3つのポイントを紹介します。
故人に借金がある可能性があり、相続放棄を検討している場合は特に注意が必要です。
遺品を売却・処分したり、故人の預貯金を使って費用を支払ったりすると、相続を認めた(単純承認)とみなされ、相続放棄ができなくなる可能性があります。
相続放棄は相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きする必要があるため、判断がつかないうちは遺品に手をつけず、早めに弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。
金融機関が口座名義人の死亡を把握すると、口座は凍結されます。
ただし「預貯金の仮払い制度」を利用すれば、遺産分割前でも1つの金融機関につき150万円を上限に、一定額を相続人が単独で引き出せる可能性があります。
故人の預金から遺品整理費用を支払う場合は、「何にいくら使ったか」を他の相続人に説明できるよう、見積書や領収書を必ず保管しておきましょう。
使い道が不透明だと、使い込みを疑われるトラブルに発展しかねません。
預貯金の仮払い制度
2019年7月の民法改正で設けられた制度で、遺産分割が終わる前でも、相続人が単独で故人の預貯金の一部を引き出せる仕組みです。
引き出せる金額は「相続開始時の預貯金額×3分の1×その相続人の法定相続分」で、1つの金融機関につき150万円が上限です。
葬儀費用や遺品整理費用の支払いなどに活用できます。
相続税を計算する際、葬儀費用は遺産から差し引くこと(債務控除)が認められていますが、遺品整理費用は原則として控除の対象外とされています。
「葬儀と同じように差し引ける」と思い込んでいると、申告内容を誤るおそれがあるため注意しましょう。
一方で、実家を売却するために必要だった残置物の撤去費用などは、条件によっては売却時の「譲渡費用」として扱える可能性もあります。
判断に迷う場合は税理士に確認するのが確実です。
「誰が払うか」を話し合うためにも、まずはおおよその費用感を把握しておくことが大切です。
ここでは費用相場の目安と、費用が高くなりやすいケースを紹介します。
遺品整理の費用は、間取りと家財の量によって大きく変わり、一般的な目安は以下のとおりです。
| 間取り | 費用相場の目安 |
|---|---|
| 1R・1K | 3万〜8万円程度 |
| 1LDK | 7万〜20万円程度 |
| 2LDK | 12万〜30万円程度 |
| 3LDK | 17万〜50万円程度 |
| 4LDK以上 | 22万〜60万円程度 |
※上記はあくまで目安であり、地域や業者、家財の量、作業内容によって金額は変動します。
長年暮らした一戸建ての実家は家財が多くなりやすく、相場の上限に近い金額になるケースも珍しくありません。
同じ間取りでも、条件によっては費用が相場を大きく上回ることがあります。
たとえば、長年手つかずで物があふれている家、エレベーターのない集合住宅の上階、道が狭くトラックが家の前まで入れない立地などは、作業員や作業時間が増えるため費用が高くなりがちです。
また、孤独死などで特殊清掃が必要な場合や、物置・蔵・庭の大型ごみも処分する場合も追加費用がかかります。
空き家になった実家は、こうした条件が重なりやすい点に注意しましょう。
誰が支払うにしても、総額を抑えられれば負担もトラブルも小さくなります。
ここでは実践しやすい4つの方法を紹介します。
遺品整理の料金体系は業者によって差があるため、2〜3社から見積もりを取って比較するのが基本です。
見積もりの際は、作業範囲(家財の搬出のみか、清掃まで含むか)や追加料金が発生する条件を必ず確認しましょう。
極端に安い見積もりの業者の中には、作業後に高額な追加請求をしたり、回収した家財を不法投棄したりする悪質なケースもあるため、一般廃棄物収集運搬の許可や提携の有無もチェックしておくと安心です。
業者に依頼する前に、通帳や権利証、保険証券などの重要書類、貴金属、形見分けしたい品を家族で探して仕分けておくと、作業時間が短くなり費用を抑えやすくなります。
業者に貴重品の捜索まで任せると、その分作業料金が上乗せされることもあります。
ただし、大型家具の搬出や高所作業などはケガのリスクがあるため無理は禁物です。
「自分たちでやる部分」と「業者に任せる部分」を線引きしておきましょう。
比較的新しい家電や家具、骨董品、着物、ブランド品などは、買取に対応している業者に依頼すれば、査定額を作業費用から差し引いてもらえる可能性があります。
遺品整理と買取を同時に行える業者を選べば、手間も減らせます。
ただし前述のとおり、相続放棄を検討している場合は、遺品の売却が単純承認とみなされるおそれがあります。
相続するかどうかの方針が決まってから活用するようにしましょう。
自治体によっては、空き家対策の一環として、家財道具の処分費用の一部を補助する制度を設けている場合があります。
たとえば、空き家バンクへの登録や、売却・賃貸を前提とすることなどを条件に、処分費用の一部を補助するケースです。
制度の有無や補助額、条件は地域によって大きく異なり、予算に達すると受付が終了することもあります。
実家のある市区町村のホームページや窓口で、早めに確認しておきましょう。
「誰が払うか決まらないから、とりあえずそのままにしておこう」と先送りすると、かえって負担が大きくなる可能性があります。
ここでは代表的な3つのリスクを紹介します。
遺品整理が進まず実家が空き家のまま残ると、固定資産税や火災保険料、電気・水道の基本料金、庭木の手入れなどの費用が毎年発生し続けます。
固定資産税の納税通知書は相続人の代表者1人に届くため、その人や実家の近くに住む人に負担が偏りやすくなります。
「なぜ自分ばかり」という不満が積み重なると、遺品整理どころか遺産分割の話し合いまでこじれてしまうおそれがあります。
家財が残ったまま管理が行き届かない空き家は、自治体から「管理不全空家(特定空家の一歩手前の状態)」や「特定空家(倒壊や衛生上の問題があると認定された空き家)」に指定される可能性があります。
指定後に勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が外れ、土地の税負担が最大6倍程度に増えるケースもあります。
さらに改善されない場合は、行政代執行による解体と費用請求に発展することもあります。
人が住まなくなった家は、換気不足による湿気やカビ、雨漏り、害虫・害獣の侵入などで急速に傷んでいきます。
建物の劣化が進むほど資産価値は下がり、買い手が見つかりにくくなるうえ、家財にもカビや汚れが広がって遺品整理や清掃の費用がかえって高くなることもあります。
「いつか片付けてから売ろう」と考えているうちに、売却のチャンスを逃してしまうケースは少なくありません。
「遺品整理の費用を誰が払うかで兄弟と揉めたくない」「遠方に住んでいて片付けに通えない」
そんなお悩みを抱えている方には、遺品整理をせずに実家ごと手放すという選択肢もあります。
訳あり不動産相談所では、家財や残置物が残ったままの状態(現状有姿)でも買取のご相談が可能です。
遺品整理の費用を誰かが立て替えたり、相続人同士で分担を話し合ったりする必要がなくなる可能性があり、費用負担の悩みそのものを解消できるかもしれません。
もちろん、形見分けや大切な品の持ち出しは事前に済ませていただけます。
また、相続人が複数いて共有名義になっている実家や、相続登記がまだ済んでいない実家でも、司法書士・弁護士・税理士などの士業と連携し、手続きから売却までワンストップでサポートできる体制を整えています。
全国対応・相談無料で、資料だけで概算を出す机上査定から始められるため、遠方の実家でも何度も現地へ足を運ぶ必要はありません。
「値段がつくか分からない」「誰かに譲れればそれでいい」という段階でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。
遺品整理の費用を誰が払うかに法律上の決まりはなく、原則は故人の遺産から支払い、足りない分は相続人で話し合って分担するのが基本です。
ただし、相続放棄を考えている場合は遺品に手をつける前に専門家へ相談しましょう。
費用は相見積もりや買取の活用で抑えられますが、放置するほど負担は大きくなります。
片付けや費用分担の負担をなくしたい方は、残置物ごと実家を手放せる訳あり不動産相談所の無料相談をぜひご活用ください。
この記事の監修者