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空き家はなぜ空き巣に狙われる?理由・対策・空き家の手放し方を徹底解説!

建物は、だれも住んでいないというだけで、「空き巣に狙われやすい物件」に変わってしまいます。

総務省の「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果」でも空き家数は年々増加傾向にあり、それに比例して空き巣や不法侵入などのトラブルも社会問題化しています。

「うちは田舎の古い家だから盗られるものなんてない」と油断していると、思わぬ被害に発展することも。

本記事では、空き家がなぜ空き巣に狙われやすいのか、理由と具体的な対策、さらに管理の手間やリスクそのものを「手放す」選択肢まで解説します。

目次

空き家はなぜ空き巣に狙われるのか

空き巣は下見の段階で、侵入しても発覚しにくい家を入念に選んでいます。

人が住んでいる家であれば生活音や照明の変化、車の出入りなどですぐに人の出入りがわかりますが、空き家にはありません。

さらに郵便受けや建物回りの状態からも「管理されていない家」であることが一目でわかってしまいます。

空き家が犯罪者の視点からどのように「狙いやすい対象」として認識されてしまうのか、3つの具体的な要因に分けて解説します。

異変が起きても気づかれにくいため

人が定期的に出入りする家であれば、窓が割られていたり施錠が外れていたりすればすぐに気づかれ、通報につながります。

しかし空き家は所有者自身が長期間訪れないケースも多く、異変が起きても気づく人がいません。

近隣住民も「持ち主の知り合いが出入りしているのだろう」と考え、不審に思っても声をかけにくいでしょう。

結果、一度侵入されると発覚まで数週間〜数ヶ月かかることも珍しくありません。

郵便物・チラシが溜まり「不在」だと分かるため

郵便受けにチラシやダイレクトメールが溢れている状態は、空き巣にとって「この家には誰も出入りしていない」との判断材料になります。

数日程度であれば、旅行による不在とも考えられますが、何週間分も溜まっていれば長期不在、あるいは空き家であることがわかってしまいます。

定期的な郵便物の回収や、郵便局への転送・配達停止の手続きをしていない空き家は、この時点で「狙いやすい家」のリストに入ってしまう可能性が高いのです。

雑草が伸び「管理放棄」と判断されるため

伸び放題の雑草や庭木、剥がれかけた外壁、色あせた看板や表札なども、空き巣にとっては「所有者が長期間関与していない家」との判断材料になります。

外観の手入れが行き届いていない家は、たとえ室内に人がいても管理されていない家と見なされやすく、侵入のハードルが下がります。

反対に、庭の手入れや外壁の簡単なメンテナンスを続けているだけでも、犯罪者に対して管理されている家だと印象づけることになるでしょう。

空き巣被害だけじゃない!空き家特有の二次リスク

空き家が抱えるリスクは空き巣による盗難だけではありません。

管理されていない状態が続くことで、放火や不法投棄、無断使用といった別のトラブルを招き、最終的には所有者自身が法的責任を問われる事態に発展することも。

空き巣被害にあう場合、モノを盗られるのみでなく、所有者の資産価値や社会的信用そのものを損なう可能性があります。

放火のリスク

総務省消防庁の「令和6年版 消防白書」では、建物火災の出火原因の上位に放火・放火の疑いが挙げられており、なかでも空き家は狙われやすい対象とされています。

人目につかず発見が遅れやすいという環境は、放火犯にとって放火しやすい都合の良い条件がそろっていることを意味します。

空き家火災は隣接する住宅への延焼リスクも高く、近隣トラブルや損害賠償問題に発展するケースも。

所有者が気づかないうちに、資産どころか近隣住民との関係まで失いかねません。

不法投棄・ゴミ屋敷化のリスク

管理されていない空き家の敷地は、家庭ゴミや粗大ゴミの不法投棄場所として狙われやすくなります。

一つのゴミが放置されることで、周辺の人から「ここに捨てても大丈夫」と判断され、次々とゴミが不法投棄される悪循環に陥ります。

最終的には害虫や悪臭が発生し、近隣から行政へ苦情が寄せられ、所有者に撤去指導が入ることも。

撤去費用は基本的に土地所有者の負担となるため、放置期間が長引くほど金銭的な負担も大きくなります。

不法占拠・無断使用(居座り)のリスク

空き家は、住居に困った第三者が無断で住み着いてしまう「不法占拠」の対象になることも。

特に施錠が甘い、あるいは破損した部分から容易に侵入できる状態の空き家は狙われやすい傾向にあります。

一度居座られてしまうと、たとえ空き家の所有者であっても法的な手続き(明渡請求など)を踏まなければ強制的に退去させることができず、解決までに時間と費用がかかるケースもあります。

「明渡請求」
土地や建物を不法に占有している相手に対し、所有者が「出て行ってほしい」と法的に求める権利行使のことです。
話し合いで解決しない場合、裁判所に明渡請求訴訟を起こし、判決確定後も相手が応じなければ強制執行を申し立てて、執行官により強制的に退去させられます。
所有者であっても実力行使での追い出しは違法となるため、正式な法的手続きが必要です。

被害が起きた場合の所有者責任に問われるリスク

民法では、土地工作物の設置・保存に瑕疵があり、それによって他人に損害を与えた場合、所有者が賠償責任を負う可能性があるとされています。

空き家の外壁の落下や倒壊で近隣に被害が及んだ場合、また放火や不法投棄が原因で二次被害が発生した場合も、「管理不十分だったのではないか」と所有者の責任が問われることも。

空き家は「使っていないから関係ない」ではなく、所有している限り管理責任が伴う点に注意が必要です。

今すぐできる空き家の空き巣対策

空き家の防犯対策における2つの柱は、「侵入されにくくすること」と「管理されている印象を与えること」です。

特別な工事や高額な設備がなくても、日々のちょっとした工夫で空き巣対策ができます。

所有者自身が今日から始められる対策から、外部サービスや地域との連携まで、実践しやすい順に5つの方法を紹介します。

できることから一つずつ取り入れましょう。

定期的な巡回・換気・通水を習慣化する

月1〜2回でも定期的に足を運び、室内の換気や通水を行うだけで「人の気配がある家」という印象を保てます。

通水を怠ると排水管の封水が蒸発し、悪臭や害虫発生の原因にもなるため、防犯だけでなく建物の劣化防止にも役立ちます。

遠方に住んでいて頻繁に通えない場合は、建物管理サービスの活用も検討しましょう。

郵便受けの管理と新聞・配達を停止する

溜まった郵便物は、不在を示す最も分かりやすいサインです。

新聞を購読している場合は配達停止の手続きを、郵便物についても郵便局の転送サービスや、定期的に回収してくれる人を確保しておくと安心です。

そもそも空き家に届く郵便物をチェックすることがない場合は、配達担当の郵便局で、届け先の変更手続きを済ませておきましょう。

センサーライト・防犯カメラ等を設置する

人感センサー付きのライトは、侵入者が近づいた際に点灯するため威嚇効果があり、比較的安価に自身で設置・導入できます。

防犯カメラはダミーであっても一定の抑止効果が期待でき、実際に録画機能付きのものを設置すればより高い効果が見込めます。

また、窓ガラスを割られてもロックが解除されにくい補助錠や防犯フィルムの後付けも、侵入までの時間を稼ぐ有効な手段としておすすめです。

空き家管理サービスに委託する

遠方に住んでいる、あるいは頻繁に通う時間が取れない場合は、専門の空き家管理サービスを利用しましょう。

定期的な巡回・写真報告・簡易清掃・郵便物の管理などを月額数千円〜1万円程度で代行してくれる会社が多く、自治体のシルバー人材センターが同様のサービスを提供している場合もあります。

周辺地域の人とのつながりもできるため「自分では手が回らないが管理はしたい」という場合におすすめです。

近隣や自治会と連携する

近隣住民や自治会と日頃から関係を築いておくことも、非常に有効な防犯対策につながります。

「何かあったら連絡してほしい」と一言伝えておくだけで、異変があった際に早期発見につながる可能性が高まります。

町内会費の支払いや最低限の挨拶を続ければ、空き家であっても地域から孤立せず、見守ってもらえる環境を維持しやすいでしょう。

空き巣リスクのある空き家を手放すべき理由

所有している空き家の空き巣対策は、すぐにでも実施できるものばかり。

しかし対策を続ける限り、時間・労力・費用などの負担が発生し続けます。

対策を講じ続けるより、空き家を手放すという選択が合理的である理由を2つ紹介します。

空き巣によるリスクがゼロにならないため

どれだけ巡回や設備投資を重ねても、所有者が常駐しない以上空き巣や不法投棄、放火といったリスクを完全になくすことはできません。

防犯カメラやセンサーライトも「抑止力」であって「絶対に侵入されない保証」ではないのです。

リスクを本当の意味でゼロにする方法は、実質的に一つしかありません。

それは、空き家そのものを手放し、管理責任ごと第三者に引き継いでもらうことです。

空き巣対策のコストが積み重なるため

管理サービスの委託費用、防犯カメラの設置・維持費、定期的な巡回にかかる交通費や時間、さらに固定資産税や火災保険料まで含めると、空き家を安全に維持するためのコストは年間で数万円〜十数万円規模になることも。

しかも、これらはあくまでリスクを抑えたり空き家を維持するためだけのランニングコストです。

空き家を売却したり譲渡したりして負担自体をなくしてしまう方が、長期的には合理的な選択といえます。

空き家の手放し方

空き家を手放す方法は一つではありません。

売却先や物件の状態によって最適な選択肢は異なり、なかには売却以外の方法もあります。

代表的な5つの手放し方を、それぞれのメリット・デメリットとともに紹介します。

不動産の買取業者へ売却する

不動産の買取業者に直接売却すれば仲介手数料が発生せず、買い手を探す期間が手間が発生しないため、最短で数週間~1か月という短期間で現金化できる可能性があります。

訳あり物件を専門に取り扱う業者であれば、再建築不可・共有名義・老朽化が進んだ物件など、一般の業者では断られてしまう物件でも対応してくれる場合があります。

場合によっては残置物の処分やリフォームも不要で、現状のまま引き渡せる可能性も。

手間を最小限に抑えたい所有者に対し、最もおすすめの方法といえます。

不動産の仲介業者へ依頼する

仲介業者を通じて一般の買い手を探す方法は、買取に比べて高値での売却が期待できる一方、買い手が見つかるまでの期間が読めないというデメリットがあります。

また、売却に成功しても仲介手数料が発生する点に注意が必要です。

特に空き巣リスクの高い空き家は、売却活動をしている間も防犯対策や維持管理を続けなければならず、その間のコストと手間が発生し続けます。

複数の業者に査定を依頼し、担当者との相性や売却できるまでの期間が短いかどうかを判断しましょう。

無償譲渡する

売却が難しい物件の場合、価格をゼロにして無償で譲渡するという選択肢もあります。

地元の掲示板サイトや個人間でのマッチングサービス、自治体が運営する空き家バンクなどを活用し、必要としてくれる人を探しましょう。

譲渡先が見つかれば、固定資産税や管理の負担、そして空き巣などのリスクから解放されます。

ただし譲渡先がなかなか見つからない場合や、契約や手続等を自身で進めなければならない点に注意が必要です。

解体して更地にしてから売却する

老朽化が激しく、売却・譲渡できる状態でない場合は、解体して更地にしてから土地を売却する方法もあります。

更地であれば空き家特有の空き巣・放火・不法占拠といったリスクそのものがなくなり、土地を欲しがっている人へ売却して現金化することも可能です。

ただし解体費用は数十万円〜数百万円かかることもあり、更地になると固定資産税の住宅用地の特例が外れ、税額が上がる場合があります。

「住宅用地の特例」
住宅が建っている土地の固定資産税・都市計画税を軽減する制度です。
200㎡以下の部分は課税標準額が固定資産税で6分の1、200㎡を超える部分も固定資産税で3分の1に軽減されます。
建物を解体して更地にすると、特例の対象から外れるため、翌年度以降の税額が大幅に上がる場合があります。

空き家の空き巣被害に関するよくある質問

空き家の所有者から特によく寄せられる4つの質問について、Q&A形式で回答します。

ご自身の状況と照らし合わせながら参考にしてください。

空き巣が入った場合に保険は使える?

一般的な火災保険には盗難補償が付帯している場合は、空き巣被害による家財の盗難や、侵入時に破損したドア・窓ガラスなどの修理費用が補償対象になる可能性があります。

ただし、空き家は「居住していない」ことを理由に契約時点で加入を断られたり、補償内容が制限されたりするケースも。

近年は空き家専用の保険商品も増えているため、既存の火災保険の補償範囲を確認し、必要に応じて見直しを検討しましょう。

空き巣被害に遭った空き家も売却・譲渡は可能?

被害に遭った空き家でも、売却や譲渡自体は可能です。

ただし、破損箇所の修繕をせずそのまま引き渡す場合は、買い手側にその旨を正確に告知する義務があります。

仲介での売却では買い手がつきにくくなることもありますが、訳あり物件を専門に扱う買取業者であれば、被害の状況を含めて現状のまま買い取ってもらえるケースがあります。

修繕費用をおさえてできるだけ早く手放したい場合は、訳あり物件を取り扱う業者への相談がおすすめです。

遠方に住んでいる場合の管理方法は?

遠方在住で頻繁に通えない場合、まずは空き家管理サービスやシルバー人材センターなどへの委託を検討しましょう。

ただし管理費用が発生し続ける上、根本的なリスクがなくなるわけではない点に注意が必要です。

「今後もその土地に関わる予定がない」「管理の手間や費用をこれ以上かけたくない」という場合は、管理を続けるよりも、早い段階で売却や譲渡を検討しましょう。

空き家管理と防犯対策はどちらを優先すべき?

どちらか一方を選ぶより、組み合わせて考えるのがおすすめです。

管理サービスによる定期巡回で建物に人の気配を作り、センサーライトや補助錠などの物理的な防犯対策を加えることでより効果が高まります。

ただし、いずれも根本的なリスクをゼロにするものではないため、対策を続けるか手放すか、活用予定と合わせて総合的に判断することが大切です。

まとめ|空き巣リスクは「対策」だけでなく「手放す」ことでも解消できる

空き家が空き巣に狙われやすいのは、人の気配がなく異変に気づかれにくいという構造的な理由によるものです。

巡回や防犯設備の導入といった対策は一定の効果があるものの、所有し続ける限りリスクを完全になくすことはできません。

管理の手間や費用を天秤にかけたとき、「手放す」という選択肢が結果的にもっとも確実で負担の少ない解決策になることもあります。

一般の不動産業者に買取を断られた、または売却や譲渡が難しいと思われる物件などがあったら「訳あり不動産相談所」の無料相談を申し込んでみてください。

この記事の監修者

藤井亮 宅地建物取引士

お客様一人一人に寄り添い、ニーズに合わせた最適な売却プランをご提案いたします。 築古空き家や再建築不可物件、事故物件などの難しい物件でも、スピーディーかつ高額での買取を実現できるよう全力でサポートいたします。