
再建築不可物件はどうすればいい?再建築可能にする裏ワザ6選や活用方法を解説!
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「知らないうちに、空き家の外壁がツタに覆われていた!」
そんな経験はないでしょうか?
ツタは、人が住まなくなった瞬間から急速に成長します。
とくにツタは繁殖力が強く、短期間で建物全体を覆い尽くすほどに広がることも。
「見た目が悪くなるだけ」と放置すると、外壁や屋根への深刻なダメージ、害虫・害獣の発生、近隣トラブル、さらには行政から「特定空家」に認定されるリスクが!
本記事では、空き家にツタが生えやすい理由から、ツタを放置するリスク、ツタが生えた空き家の売却可否まで、空き家のオーナーが知っておくべき情報をお伝えします。
目次
空き家に限らず、管理されていない建物にはツタをはじめ、植物が繁茂しやすくなります。
なぜ空き家にツタが生えやすいのか、理由を詳しく見ていきましょう。
人が住んでいる建物では、日常的な掃除・草刈り・換気によって植物の繁殖が自然と抑制されていました。
しかし、定期的な除草や清掃が行われなくなると、風や鳥によって運ばれた種子が地面や外壁の隙間に根付きやすくなるのです。
小さな雑草を放置することで土壌が豊かになり、やがてツタのような繁殖力の強い植物が広がり始めます。
さらに、隣地や道路脇で植物が茂っていれば、種子の飛来がより活発になるでしょう。
建物が管理されていれば、植物の繁茂を早期の段階で取り除けますが、空き家では誰にも気づかれないまま根を張り、あっという間に手がつけられない状態になるのです。
ツタは本来、森林の中で木の幹や岩肌を伝って成長します。
つまり、張り付くことのできる固い表面、かつ日当たりが少ない湿った環境を最も好んでおり、老朽化した空き家の環境と非常に近いのです。
ツタは、吸着根と呼ばれる特殊な根を使って壁面に張り付くため、外壁のひび割れやコンクリートの目地、木材の劣化した部分にも侵入します。
築年数が経つほど外壁の塗装は剥がれ、細かなひび割れが増えるため、ツタにとってはまさに「足がかり」が増えた状態といえます。
「見た目が悪いだけ」と思われがちなツタの繁茂ですが、実際には建物の物理的な損傷から行政指導に発展するリスクまで、多岐にわたる深刻な問題を引き起こします。
ツタは、建物に物理的なダメージを与えます。
ツタの吸着根は外壁に強力に食い込むため、成長したツタを無理に引き剥がそうとすると、外壁材ごと破損する可能性があります。
また繁茂したツタが雨樋に絡みつき、ツタの重みで変形・破損することがあります。
雨樋が破損すると、外壁への雨水の跳ね返りが増え、建物全体の劣化をさらに加速させる悪循環に陥るのです。
ツタが密生した空き家は、害虫・害獣にとって格好の住処になります。
ツタの葉が壁面を覆い尽くすと、葉の裏側や茎の隙間に暗くて湿った空間が生まれ、ムカデ・ゴキブリ・ダンゴムシなどの害虫が好む環境ができます。
一度住み着いた害虫は隣接する建物にも移動するため、近隣住民との深刻なトラブルに発展することも。
さらに危険なのはハチです。
ツタが繁茂した壁面や軒下は、アシナガバチやスズメバチが巣を作りやすい場所でもあります。
気づかないうちに大きな巣ができていることがあり、近隣住民や通行人のケガにつながるリスクがあります。
ツタの繁茂は、自身の敷地内だけの問題にとどまらないことがあります。
放置されたツタは敷地の境界を越えて隣地へ侵入し、隣家の外壁や庭木を傷つけるケースがあります。
隣家まで被害が及んだ場合、損害賠償を請求される可能性も。
また、道路側にツタが繁茂して歩行者の通行を妨げる状態になると、市区町村から行政指導を受ける場合があります。
ツタの繁茂は見た目の問題だけでなく、法律上の深刻なリスクにもつながります。
空家特措法により、景観を著しく損なっている状態や、周辺の生活環境の保全を図る際に不適切な状態の場合、特定空家に認定される場合があります。
また2023年の空家特措法改正で、「管理不全空家」に関するルールが新設されました。
管理不全空家は特定空家の前段階として、そのまま放置すれば特定空家になるおそれがある状態の空き家を指します。
ツタが繁茂し始めた段階でも管理不全空家に認定される可能性があるため、早期の対処が必要です。
「特定空家」や「管理不全空家」のいずれかに認定されると、市区町村から勧告を受けた時点で住宅用地の特例措置(固定資産税の軽減措置など)が失われます。
結果、固定資産税が最大で6倍に跳ね上がるおそれがあります。
「特定空き家」
空家特措法に基づき市区町村が認定した、倒壊の危険・衛生上の有害・景観の著しい損傷・生活環境の悪化などの問題を周囲に及ぼすおそれのある空き家です。
認定後に勧告を受けると固定資産税の軽減措置が失われ、税額が上がるほか、最終的には強制解体・費用請求に至るケースもあります。
「管理不全空家」
2023年の空家特措法改正で新設された区分で、特定空家には至らないものの、放置すれば特定空家になるおそれがある状態の空き家です。
改善指示に従わず市区町村から勧告を受けると、特定空家と同様に固定資産税の軽減措置を失います。
特定空家の「予備軍」として、より早い段階での対処が必要です。
ツタが繁茂した空き家を抱えていると、「こんな状態で売れるのだろうか」と不安に思う方もいらっしゃるでしょう。
結論、ツタが生えたままでも空き家の売却は可能です。
ただし、知っておくべき注意点があります。
ツタが繁茂した状態のまま空き家を売却することは、法律上は可能です。
建物の外観や状態を理由に売却が禁止される法的規定はなく、現状有姿で売買契約を締結できます。
ただし、売却にあたって告知義務が生じる可能性があります。
ツタの繁茂によって、外壁の剥離・雨漏り・基礎のひび割れなどのダメージが生じている場合、その事実を買主に対して必ず告知しなければなりません。
告知義務を怠った場合、引き渡し後に買主から契約不適合責任を追及され、損害賠償請求や契約解除に発展するリスクがあります。
「気づいていなかった」という場合でも、通常の注意を払えば発見できた不具合については責任を問われる可能性があります。
売却前に専門家によるインスペクション(建物調査)を実施することで、告知漏れのリスクがおさえられるでしょう。
「告知義務」
不動産の売買・賃貸において、売主・貸主が物件に関する重要な事実を買主・借主に事前に伝えなければならない義務のことです。
告知を怠った場合、引き渡し後であっても契約不適合責任に基づく損害賠償請求や契約解除につながるおそれがあります。
ツタが繁茂した空き家は、売却価格にも直接的な影響を与えます。
もっとも大きく影響を与えるのが、建物の第一印象です。
不動産の購入検討者が最初に目にするのは物件の外観であり、ツタに覆われた建物は「管理されていない」「老朽化が深刻」という印象を与えやすく、購入希望者が集まりにくくなります。
ツタによる物理的なダメージがない場合でも、値引き交渉されやすいでしょう。
空き家の売却前にツタを除去して外壁を補修することで、物件の印象は大きく改善されます。
除去費用や補修費用が高額になる場合は、費用対効果を慎重に検討したうえでの判断が大切です。

ツタの繁茂・老朽化・外壁ダメージといった複合的な問題を抱えた空き家は、一般の不動産業者では仲介を断られるケースが少なくありません。
買い手がつきにくい空き家は売却活動が長期化しやすく、その間も維持費や税負担が積み重なります。
そこでぜひ検討してほしいのが、訳あり物件を専門に扱う不動産業者への相談・売却です。
問題を抱えた物件の買取を前提としているため、ツタが繁茂したままの現状有姿で売却できる可能性があります。
売却に成功すれば、除去費用や修繕費用を自己負担することなく、現金化できる点が大きなメリットです。
特定空家への認定リスクを抱えている物件は、とくに相談を急いだ方がよいでしょう。
ツタの除去は、できるだけを専門業者への依頼がおすすめです。
しかし費用を抑えたいオーナーにとっては「自力でツタを除去できないか」と気になるところでしょう。
ツタの程度によっては自力での除去も可能ですが、状況によっては無理に自力で対応すると、ケガをしたり建物へのダメージを悪化させたりすることも。
自力によるツタ除去の可否・適切な方法・再繁殖を防ぐ予防策について解説します。
ツタの自力除去が可能なのは、繁茂の範囲が1階部分であり、外壁への食い込みが比較的浅い段階です。
一方、ツタが2階以上の高さまで達している場合は、高所作業が必要になるため、自力で行うには危険です。
はしごで作業中の転落事故は多く発生しており、専門業者への依頼を強くおすすめします。
また外壁へのツタの食い込みが深い場合、無理に引き剥がすと外壁材ごと破損するおそれがあります。
外壁補修は専門的な技術と材料が必要なため、自力での対応は困難です。
自力でツタを除去する際は、状況を冷静に判断したうえで、無理のない範囲で対応しましょう。

自力でツタを除去する際は、正しい方法を行うことで建物へのダメージを最小限に抑えられます。
安全性を考えて、適切な服装と道具を用意しましょう。
ツタには皮膚に触れるとかぶれを引き起こす種類もあるため、必ず長袖・長ズボンで作業します。
ツタを除去する際、最も重要なのはいきなりツタを引き剥がさないことです。
まず根元をハサミやノコギリで切断し、ツタを枯らしてから除去しましょう。
生きているツタは吸着根が外壁にしっかりと食い込んでいるため、無理に引っ張ると外壁材ごと剥がれるおそれがあります。
そして、作業に適した季節は秋から冬にかけてです。
ツタが自然に枯れて吸着力が弱まっているため、春から夏の繁茂期に比べて外壁へのダメージをおさえつつツタを除去できるでしょう。
ツタを除去しても、根が残っていれば数ヶ月で再び伸び始めるため、除去後の予防策も合わせて行いましょう。
最も重要なのは根の完全除去です。
ツタは地中深くまで根を張っているため、地上部分だけを取り除いても地下の根から再生します。
根の完全除去が難しい場合は、除草剤の活用が有効です。
また、敷地周囲に防草シートを施工すれば、新たな種子の発芽を抑えられます。
ツタの除去と合わせて予防策を施工すれば、長期的な管理の手間とコストを削減できます。
自力での除去が難しい場合、または確実に除去・補修まで対応してほしい場合は、専門業者への依頼がおすすめです。
費用は繁茂の規模や状態により大きく異なるため、事前に相場感を把握しておきましょう。
ツタの繁茂が軽度から重度まで、3段階における費用相場をまとめました。
| レベル | 費用相場 | 詳細 |
|---|---|---|
| 軽度(1階・10㎡以下) | 3~8万円程度 | 繁茂範囲が1階部分のみで面積も小さい場合は、比較的低コストで対応してもらえるでしょう。 足場が不要なケースが多く、作業時間も短いため費用を抑えやすい段階です。 |
| 中程度(2階まで・30㎡前後) | 15~30万円程度 | 繁茂が2階まで達している場合、安全な高所作業のために足場の設置が必要な可能性があります。 足場を設置する際は足場代の費用がかさむため、負担が大きくなります。 |
| 重度(全面繁茂・外壁補修あり) | 30万円以上 | 建物全体にツタが繁茂し、外壁補修が必要な状態になると費用は大きくなります。 外壁の補修範囲や使用する材料によってはさらに高額になり、状態によっては100万円を超えるケースもあります。 |
ツタの除去費用に影響する主な要素は、以下の3つです。
ツタが繁茂している面積が広いほど、作業時間と人件費が増加します。
またツタの吸着根が外壁に深く食い込んでいる場合、除去後に外壁の補修が必要になります。
補修が必要かどうかで費用が大きく変わるため、あらかじめ専門家によるインスペクション(建物調査)で外壁の状態を確認しておきましょう。
ツタが繁茂した空き家を抱えるオーナーにとって、「どこに相談すればいいのかわからない」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
ツタが生えた空き家は、一般の不動産業者では対応が難しいケースが多く、売却できないこともあります。
訳あり物件専門の業者への相談が、有効な理由を解説します。
一般の不動産業者は、買い手がつきやすい物件を優先して扱う傾向があります。
老朽化が進んでいる・ツタが繁茂している・外壁にダメージがあるといった問題を抱えた物件は、売却活動に時間と手間がかかるため、仲介を断られる場合が多いでしょう。
売却活動が長期化すると、その間も固定資産税・管理費・維持費の負担が続き、さらには特定空家認定リスクも高まります。
一方、訳あり物件専門の業者は問題を抱えた物件の買取を本業としているため、ツタが繁茂した状態の物件でも対応できる可能性があります。
「どうせ断られる」と諦める前に、まず専門業者への相談を検討しましょう。
訳あり物件専門の業者は、ツタの繁茂・外壁ダメージ・老朽化といった問題をすべて織り込んだうえで適正な査定価格を算出してくれます。
問題のある物件の査定実績が豊富なため、一般業者では「値段がつかない」と判断されるような物件でも現実的な買取価格を提示してもらえる場合があるのです。
特に重要なのが「ツタを除去してから売るべきか、現状有姿のまま売るべきか」という判断です。
ツタの除去・外壁補修にかかる費用と、対策によって期待できる売却価格の上昇幅を比較したうえで、最善の選択肢を具体的にアドバイスしてもらえます。
自己判断で余分な費用をかけてしまうリスクを大きく避けられるでしょう。
特定空家への認定は、空き家のオーナーにとって避けたいリスクのひとつです。
認定後に市区町村から勧告を受けると、住宅用地の特例措置が失われて固定資産税が上がります。
さらに認定後に何も対処しなければ、勧告・命令・行政代執行と段階的に措置が強化されることも。
認定される前に専門業者へ相談し売却が完了すれば、特定空家におけるリスクを回避できるでしょう。
特定空家の認定前であれば売却価格への影響も小さく、より有利な条件で手放せる可能性が高い点も見逃せません。
訳あり物件専門業者による直接買取の最大のメリットのひとつに、売却完了までのスピードが速いことが挙げられます。
一般的な仲介売却では買い手を探す活動から始まり、売却完了まで数ヶ月〜1年以上かかることも珍しくありません。
売却が完了するまで、固定資産税・管理費・維持費の負担は続きます。
一方、訳あり物件専門業者による直接買取では、買い手を探す期間が不要なため最短1ヶ月程度で売却が完了する場合があります。
売却完了までの期間が短いほど維持費・管理費の負担が小さくなります。
空き家にツタが生える背景には、植物繁殖の加速と、老朽化した建物がツタの好む環境になりやすいという2つの要因があります。
一度根付いたツタは短期間で建物全体を覆い、外壁・屋根・基礎への物理的ダメージ・害虫害獣の発生・近隣トラブル・特定空家への認定リスクと、放置するほど問題は深刻化します。
ツタが繁茂した空き家の売却は法的には可能ですが、一般の不動産業者では断られるケースも多く、売却活動が長期化するでしょう。
訳あり物件を専門に取り扱う「訳あり物件相談所」なら、現状有姿のまま買取対応できるケースがあり、除去・修繕費用を自己負担せずに済む可能性があります。
ツタが生えた空き家を抱えてお悩みの方は、まず「訳あり物件相談所」へ相談してみましょう。
この記事の監修者

藤井亮 宅地建物取引士