COLUMN

【相続登記の実態調査】不動産を相続したことがある500人にアンケート調査

2024年4月1日、長年の社会問題であった「所有者不明土地問題」の解決に向け、相続登記が法的に義務化されました。
しかし、この新しい制度はどの程度浸透し、人々はどのように対応しているのでしょうか。

この記事では、不動産を相続した経験を持つ500人へのアンケート調査結果を基に、相続登記義務化の認知度手続きの実態を紹介します。

調査データを利用するの際の注意点

出典元を明記していただければ、本データをご利用いただけます。

WEB媒体でご使用の際は、出典元として当サイトへのリンクを必ず設置してください。
また、紙媒体などでご使用の際も、同様に当サイトの名称を正しく記載いただければ問題ございません。

アンケート調査の概要

アンケート調査の概要は以下の通りです。

  • 調査内容:相続登記義務化の認知度・相続登記の実態
  • 調査対象:不動産を相続したことがある人
     回答者の性別:男性363人・女性137人
     回答者の年代:40代78人・50代154人・60代以上268人
  • 調査方法:アンケート調査サイトを利用したWEB調査
  • 調査期間:2026年02月6日〜2026年02月24日
  • 有効回答数:500人

相続登記義務化の認知度

相続登記義務化の認知度

不動産を相続したことがある500人に「2024年4月の相続登記義務化を知っていますか?」と尋ねたところ、「知っている(43.0%)」と「聞いたことがある(25.2%)」を合わせた認知率は68.2%に達しました。

一方、法改正を「知らない」と回答した層は31.8%で、依然として約3割の人には情報が届いていない現状が浮き彫りとなりました。

相続で不動産を取得した時期

不動産を相続したことがある500人に「相続で不動産を取得した時期はいつですか?」と尋ねたところ、5年よりも前に相続した「それ以上前」と回答した人が59.8%(299人)と約6割を占める結果となりました。
次いで「3年以内」が17.4%(87人)、「5年以内」が11.8%(59人)、「1年以内」が11.0%(55人)と続いています。

不動産を相続した時期と相続登記義務化の認知度の関係

前述の「不動産を相続した時期」「相続登記義務化の認知度」の回答結果をクロス集計したところ、相続時期が最近であるほど認知度が高い傾向にあることがわかりました。
具体的には、相続から1年以内の層では「知っている」と回答した人が7割を超えています

一方で、5年以上前に相続した「それ以上前」の層では、義務化を全く「知らない」と答えた人が130人にのぼり、この層の約4割以上が制度を把握していない実態が浮き彫りとなっています。
過去に相続した不動産に対しても義務化が適用されることへの周知が、引き続き重要な課題であると言えます。

相続登記の完了率

不動産を相続したことがある500人に「相続登記は完了していますか?」と尋ねたところ、全体の82.8%が「完了」と回答しました。
一方で、一部のみ完了しているケースを含め、未完了の項目が残っている層も一定数存在します。

「未了」である割合は11.8%でした。

相続登記が未了の理由

相続登記が未了の86人に、「未了の理由は?(複数回答可)」と尋ねたところ、「書類が揃わない(24.4%)」が最多となり、手続きの煩雑さが課題となっている可能性が考えられます。
次いで「放置している(23.3%)」「相続人が多い(22.1%)」という回答が上位を占めています。

また、「その他」を選択した人からは、以下のような回答がありました。

  • 家系の3代前の人の名義なのでどうしていいかわからない
  • 知らなかった

相続登記の実態

相続登記完了までの期間

相続登記が完了している414人に「登記完了までの期間は?」と尋ねたところ、「3か月以内(33.1%)」が最多となり、次いで「1か月以内(27.1%)」という結果になりました。
全体の約6割が3か月以内に登記を完了させており、多くのケースで相続発生から比較的早い段階で手続きが進められていることがわかります。

一方で、1年以上を要した層も約10%存在し、個別の事情による長期化の傾向も見られます。

相続登記の手続き方法

相続登記が完了している414人に「手続き方法は?」と尋ねたところ、「司法書士に依頼」した人が65.2%と最も多く、専門家を頼る人が多数を占めています。
弁護士への依頼(4.6%)を含めると、全体の約7割が何らかの専門的なサポートを受けています。

一方で、「自分で手続きした」人は29.2%で、約3人に1人は自力での登記に挑戦している実態が明らかになりました。

また、「その他」を選択した人からは、「行政書士」や「不動産会社」に依頼したという回答も見られました。

相続登記の方法と完了までの期間の関係

前述の「相続登記の手続き方法」「相続登記完了までの期間」の回答結果をクロス集計したところ、選択した手続き方法によって完了までの期間に特徴が表れています。
まず、「司法書士に依頼」したケースでは、270件のうち約6割にあたる160件が3か月以内に手続きを終えています

一方で、「自分で手続きした」に注目すると、121人のうち約65%にあたる79名が3か月以内に完了させており、自力でも迅速に対応している層が一定数存在します。
しかしその反面、完了までに1年以上を要した割合は12.4%(15名)にのぼり、司法書士や弁護士に依頼した場合と比較すると、自力での手続きは難易度によって長期化しやすい傾向にあると言えるでしょう。

相続登記にかかった費用

相続登記が完了している414人に「登記にかかった費用感は?」と尋ねたところ、金額が判明している層の中では「5万円以内(22.7%)」が最多となりました。
次いで「10万円以内(19.8%)」、「20万円以内(17.6%)」と続いており、約6割の方が20万円以下で手続きを終えています。

相続登記の方法と費用の関係

前述の「相続登記の手続き方法」「相続登記にかかった費用」の回答結果をクロス集計したところ、選択した方法によってコストに差が出ていることがわかりました。

まず、「自分で手続きした」121人のうち、約5割にあたる59人が費用を5万円以内に収めており、自力で対応するとコストを抑えやすいことが伺えます。

これに対して、最も回答数が多かった「司法書士に依頼」した270名においては、5万円から20万円の間で費用が発生している層が128名と全体の半数近くを占めており、専門家への報酬が含まれることで費用が一段階上がっていることが分かりました。

まとめ

今回の調査により、2024年4月の相続登記義務化に対する認知率は約7割に達しているものの、依然として約3割の人には情報が届いていない現状が浮き彫りとなりました。
特に注目すべきは、相続から5年以上が経過している層において、約4割以上がこの制度を把握していない点です。
過去に相続した不動産も義務化の対象となるため、この層への継続的な周知が課題と言えるでしょう。

相続登記の実施状況については、82.8%が「完了」と回答しており、完了した人の約6割が3か月以内に登記を終えたという回答を得られました。

一方で、未だ登記が完了していない層においては「書類が揃わない」「相続人が多い」といった物理的・人間関係的な障壁に加え、単なる「放置」も大きな理由となっています。
放置は将来的な所有者不明土地の問題に直結するため、手続きの簡素化や専門家による相談体制の充実など、心理的・実務的なハードルを下げていく取り組みが今後さらに重要になるのではないでしょうか。

この記事の担当者

担当者③

お客様一人一人に寄り添い、ニーズに合わせた最適な売却プランをご提案いたします。築古空き家や再建築不可物件、事故物件などの難しい物件でも、スピーディーかつ高額での買取を実現できるよう全力でサポートいたします。