
別居中に共有不動産は売却できる?売却のタイミングや注意点を解説!
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共有持分の売却は、一般的な不動産売却とは異なり、権利関係が複雑で相場がわかりにくいという特徴があります。
この記事では、共有持分の売却相場の決まり方から、売却先ごとの価格差、売却にかかる税金や費用、そして高く売る方法まで解説します。
共有持分をトラブルなく、そして有利に売却するための道筋が明確になるはずです。
目次
共有持分の売却相場を理解するためには、まず共有持分の売却が難しい理由を把握することが重要です。
ここでは、その背景と共有持分の売却価格が決まる要因を解説します。
共有持分とは、一つの不動産を複数人で共同所有している場合の、各共有者が持つ権利の割合を指します。
例えば、兄弟2人で実家を相続した場合、特に取り決めがなければそれぞれの共有持分は2分の1となります。
この共有持分は個人の財産であるため、他の共有者の同意がなくても自分の持分だけを売却することは可能です。
しかし、不動産全体の利用や処分には法律上の厳しい制約があります。
共有持分だけを購入しても、不動産全体を自由に使うことができないため、買い手は限られてしまいます。
こうした利用上の制約が障壁となり、共有持分の売却は難しいと言われています。
共有持分の売却相場は、誰に売るかによって大きく変動します。
以下に売却相場をまとめました。
なお、実際の売却価格は、共有持分の状況やその他の要因によって左右されるため、あくまで目安としてください。
| 売却先 | 売却相場の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 他の共有者 | 市場価格に近い金額になる傾向 | 持分を増やして過半数を取得すれば、不動産を単独で活用しやすくなるため。 |
| 不動産会社 | 市場価格の3〜5割程度 | 共有者との交渉や再販までのコストを考慮して価格を算出するため。 |
このように、共有者と交渉できれば市場価格に近い価格で売却できる可能性があります。
一方、共有者と関係が悪化している場合や、迅速に現金化したい場合は、不動産会社への売却が現実的な選択肢となります。

共有持分の売却には、不動産会社による「仲介」と「買取」の2つの方法がありますが、その特性を踏まえると「買取」がおすすめです。
ここでは、共有持分の売却において買取が向いている理由を解説します。
一般的な不動産売却で利用される「仲介」は、不動産会社が買主を探す方法です。
しかし、共有持分は前述の通り利用に制限があるため、一般の個人が居住目的で購入することはほとんどありません。
そのため、仲介で買主を見つけるのは難しい傾向にあります。
一方、「買取」は、不動産会社が直接買主となります。
共有持分を専門に扱う不動産会社は、他の共有者との交渉や法的手続きに関するノウハウを持っているため、権利関係が複雑でも買い取ることが可能です。
売却活動が不要なため、確実に、そしてスムーズに売却を進めることができます。
買取の最大のメリットは、売却までのスピードです。
仲介の場合、買主が見つかるまで数ヶ月、場合によっては1年以上かかることもありますが、買取の場合は不動産会社が直接購入するため、最短数日から1ヶ月で現金化できます。
すぐにまとまった資金が必要な方や、早く共有関係から抜け出したい方にとって、このスピード感は大きな魅力です。
「他の共有者が売却に反対している」「連絡すら取れない」といった共有者間のトラブルは、共有持分売却における最大の障壁です。
しかし、不動産会社であれば、こうしたトラブルを抱えた物件でも買い取ってもらえる可能性があります。
不動産会社は、持分を買い取った後に、弁護士などと連携して他の共有者と交渉を行うほか、共有物分割請求などの法的手続きを進めることで、不動産を活用できる状態へと整理していきます。
そのため、売主は煩雑な交渉や手続きをすることなく、共有名義から抜けることができます。
共有持分は市場価格より低く評価される傾向がありますが、ポイントを押さえれば売却価格をできるだけ高めることも可能です。
最も効果的な方法は、他の共有者と協力して不動産全体を売却することです。
これにより、共有持分という権利上の制約がなくなり、通常の不動産として市場価格で売却できます。
まずは他の共有者に連絡を取り、全体売却のメリットを丁寧に説明して合意形成を目指しましょう。
それが難しい場合は、共有持分を専門に扱う不動産会社への相談を検討してみてください。
少なくとも3社以上から査定を取り、価格だけでなく、担当者の対応や契約条件を比較検討することで、有利な条件を引き出すことができます。
不動産会社が査定の際にチェックするポイントは多岐にわたります。
以下に、共有持分の査定ポイントをいくつかまとめました。
共有持分の査定方法には、いくつかの種類があります。
それぞれの特徴を理解し、状況に応じて使い分けましょう。
| 査定方法 | 概要 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 机上査定 | 物件情報や市場データから概算価格を算出する方法 | 早く査定結果がわかる | 現地を確認しないため、精度は低い |
| 訪問査定 | 実際に現地を訪問し、物件の状態を確認して査定する方法 | 机上査定より精度が高い査定額がわかる | 立ち合いが必要で、時間がかかる |
| 不動産鑑定士による評価 | 不動産鑑定士が法的に適正な価格を算出する方法 | 客観的で信頼性が非常に高く、公的な証明力がある | 費用が高額(20万~50万円程度)で、時間もかかる |
まずは複数の不動産会社に無料の机上査定や訪問査定を依頼して相場観を掴み、公的な証明が必要な場合に不動産鑑定士への依頼を検討すると良いでしょう。
共有持分を売却して利益が出た場合、税金を納める必要があります。
ここでは、売却にかかる税金の種類や計算方法、利用できる特例について詳しく解説します。
共有持分売却に関連する主な税金は以下の通りです。
印紙税や登録免許税に比べて、譲渡所得税は負担額が大きくなりやすいため、事前のシミュレーションが重要です。
譲渡所得税は、以下の計算式で算出される譲渡所得に対して課税されます。
譲渡所得 = 売却価格 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額
※取得費:その不動産を購入した時の代金や手数料など
※譲渡費用:仲介手数料や印紙税など、売却に直接かかった費用
税率は不動産の所有期間によって異なります。
譲渡所得に所定の税率を掛けて、納税額を算出しましょう。
| 区分 | 所有期間 | 税率 |
|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 39.63% |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 20.315% |
所有期間が5年を超えるかどうかで税率が大きく変わるため、売却のタイミングは重要です。
特定の条件を満たすことで、譲渡所得税の負担を大幅に軽減できる特例があります。
最も代表的なのは「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」で、自分が住んでいたマイホームを売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。
この特例は、各共有者が要件を満たしていれば、1人あたり最大3,000万円まで控除を受けられる点が特徴です。
ただし、適用には細かな条件が設けられているため、事前に税理士などの専門家へ確認しておくと安心です。
共有持分を売却する際には、税金の他にも仲介手数料などの諸費用がかかる場合があります。
なお、不動産会社に直接買い取ってもらう場合は、仲介手数料は不要になることが多いです。
また、親族間で共有持分を売買する際には贈与税に注意が必要です。
市場価格から著しく低い価格で売却すると、差額分が贈与とみなされ、買主(もらった側)に高額な贈与税が課される可能性があります。
親族間で売買を行う場合は、適正な価格設定を意識しましょう。
共有持分を売却して譲渡所得が発生した場合、原則として売却した翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告を行う必要があります。
特例を適用して税金がゼロになる場合でも、その特例の適用を受けるためには確定申告が必須です。
確定申告で主に必要な書類を以下にまとめました。
なお、複数の共有者が持分を売却した場合も、それぞれが個別に確定申告を行う必要があります。
売却価格や費用は持分に応じて按分されるため、共有者間で売却価格や費用に関する情報を共有し、それぞれが正確に申告できるよう連携することが大切です。
ここでは、共有持分を不動産会社に買い取ってもらう場合の流れと、必要な書類を解説します。
不動産会社に共有持分を売却する場合の基本的な流れは以下の通りです。
売買契約から決済までに、売主として以下のような書類を準備する必要があります。
これらの書類は手続きに不可欠なため、事前に準備しておくとスムーズです。
紛失してしまった書類がある場合は、早めに司法書士などの専門家に相談しましょう。
共有持分の売却では、所有権移転登記という法的な手続きが必須です。
この手続きは複雑なため、困った際は司法書士に相談しましょう。
司法書士は、登記手続きの代行だけでなく、必要書類の準備や収集もサポートしています。

共有持分売却は、権利関係の複雑さから様々なトラブルが発生しやすい取引です。
事前に典型的なトラブル事例と対策を知っておくことが、リスク回避に繋がります。
以下に、共有持分売却で起こりやすいトラブルをまとめました。
トラブルを避けるためには、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。
以下のポイントをチェックしましょう。
| チェック項目 | 信頼できる業者の特徴 |
|---|---|
| 実績の豊富さ | WEBサイト等に共有持分の取り扱い実績が掲載されている |
| 査定根拠の明確さ | 査定金額の根拠を丁寧に説明してくれる |
| 専門家との連携 | 弁護士や司法書士など、法律の専門家と連携体制が整っている |
| 説明の丁寧さ | 専門用語を避け、デメリットや注意点も包み隠さず説明してくれる |
| レスポンスの速さ | 問い合わせや質問に対して、迅速かつ誠実に対応してくれる |
共有持分の売却でトラブルを防ぐには、売主自身で以下のような対策を講じることが大切です。
ここでは、不動産会社に相談しても売却が難しい場合や、他の共有者との交渉がどうしてもまとまらない場合の最終的な手段を解説します。
共有物分割請求とは、共有者の一人が、他の共有者に対して共有状態の解消を法的に求めることができる権利です。
これは共有者に認められた正当な権利であり、他の共有者が反対していても、最終的には裁判所の判断によって強制的に共有関係を解消することができます。
共有者間の話し合いが決裂した際に、最終手段として検討しましょう。
共有物分割請求は、いきなり訴訟になるわけではなく、一般的に以下の段階を踏んで進められます。
訴訟に発展した場合、解決までに半年から数年を要することもあります。
費用面では、弁護士費用や印紙代、郵便切手代、不動産鑑定費用などが発生し、経済的に大きな負担となる可能性があります。
ここでは、共有物を分割する方法と、その特徴を解説します。
| 解消方法 | 詳細 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 現物分割 | 不動産を物理的に分け、それぞれの共有者が単独で所有できる状態にする | ・共有者全員が不動産を所有し続けられる | ・物理的に分割できない場合がある ・分割後の価値に不公平が生じやすい |
| 代償分割 | 共有者の1人が不動産を取得し、他の共有者に代償金を支払う | ・共有者の1人は不動産を手放さずに済む | ・代償金を支払う資力が必要 ・価格算定で揉めやすい |
| 換価分割(代金分割) | 不動産を売却して得た代金を、共有者間で分配 | ・全員が現金を得られる ・公平に分配できる | ・不動産を手放す必要がある ・時間と費用がかかる |
共有物分割請求は、共有関係を解消できる有効な手段ですが、その反面、いくつかのデメリットも伴います。
まず、手続きには多くの時間と費用がかかり、解決まで長期化するケースも少なくありません。
さらに、法的な争いに発展するため、共有者との関係が大きく悪化し、修復が難しくなる可能性があります。
また、換価分割として競売に至った場合、通常の売却のように条件を比較しながら売却先を選ぶことができません。
そのため、想定より低い価格で落札されるなど、結果として全員が経済的な不利益を被るリスクもあります。
このような点を踏まえると、共有物分割請求は最終的な選択肢と位置づけ、まずは不動産会社への売却や、弁護士を交えた話し合いなど、他の解決方法を検討することが現実的です。
共有持分を売却する上で、各専門家が担う役割を解説します。
共有持分の買取を専門としている不動産会社は、単に持分を買い取るだけでなく、売却に関するあらゆる問題の解決窓口となります。
他の共有者との交渉代行や法的手続きのサポート、税金に関するアドバイスなど、ワンストップで対応してくれる点が強みです。
複雑な手続きや交渉から解放され、共有持分をスムーズに現金化できるでしょう。
共有持分の売却や手続きを進める際には、司法書士・税理士・弁護士といった専門家のサポートを活用することで、手続きを円滑に進めやすくなります。
司法書士は、不動産登記の専門家として権利関係の確認や必要書類の作成、所有権移転登記の代行を行っています。
また、税理士は譲渡所得税の計算や確定申告書の作成を行い、特別控除の適用可否の判断や節税に関するアドバイスを提供しています。
さらに、共有者間でトラブルが発生している場合や交渉が難航している場合には、弁護士に依頼すると交渉の代理や法的手続きを代行してもらえます。
協議がまとまらない場合や、共有物分割請求などの手続きが必要となる場面で頼れる存在です。
最後に、共有持分の売却に関してよく寄せられる質問にお答えします。
はい、ご自身の共有持分だけであれば、他の共有者の同意なしに自由に売却できます。
ただし、不動産全体を売却する場合は、共有者全員の同意が必要です。
はい、ご自身の共有持分のみであれば、共有名義のままで売却可能です。
買主は新たな共有者として、他の共有者とともにその不動産を所有することになります。
主な処分方法として、不動産会社など第三者への売却、共有者への売却、共有者への贈与などがあります。
すぐに現金化したい場合は、不動産会社への売却がおすすめです。
売却先によって大きく異なりますが、不動産会社などの第三者に売却する場合、一般的に市場価格の3~5割程度が売却価格の目安となります。
はい、売却する不動産がご自身で居住していたマイホームであり、適用要件を満たしていれば、最大3,000万円の特別控除が受けられます。
なお、各共有者が要件を満たしていれば、1人あたり最大3,000万円まで控除を受けられます。
共有名義とは、一つの不動産を複数人の名義で登記している「状態」を指します。
一方、共有持分とは、その不動産に対して各名義人が持っている権利の「割合」を指します。
共有持分の売却相場は、売却先や物件の状況、共有者間の関係性によって大きく変動します。
市場価格よりも安くなる傾向はありますが、正しい知識を持ち、戦略的に進めることで、有利な条件で売却することは十分可能です。
市場価格に近い金額で売却を目指すなら共有者への売却がおすすめですが、それが難しい場合は、共有持分を専門に扱う不動産会社への売却が現実的です。
その際は、必ず複数の不動産会社に相談し、査定額や対応を比較検討しましょう。
共有持分の売却は、法律や税金が複雑に絡み合う専門的な取引です。
一人で悩まず、信頼できる不動産会社や司法書士、税理士などの専門家に相談しながら、トラブルなく、納得のいく売却を実現してください。
訳あり不動産相談所では、共有持分も積極的に買い取っておりますので、お困りの方はぜひご相談ください。
この記事の監修者

久保匡弘 司法書士